No.120 「Knock the door ! 」

「KNOCK THE DOOR!」
この言葉を忘れはしない。座右の銘の一つである。

私は、30歳になったのをきっかけに、教師を目指し大学院への進学を決意した。
英語力に磨きをかけたい。海外から日本の教育を考え直してみたい。
その理由から、英語圏の大学院を中心に資料を集め始めた。

そんな中、後輩の一人が
「オックスフォード大学が、日本人に対して資金援助するらしいですよ。
先輩受けてみては?」と情報をくれた。

「あのオックスフォードかあ。憧れるなあ。でもさすがに無理だろう・・・」
そう思いながらも、フォックスフォードは、私の頭から離れなかった。

英語圏の大学院を受験する場合、その受験者を良く知る人物による推薦状の提出が求められる。
私は、学生時代からお世話になっているジェシー・ヒラオカ教授にお願いすることにした。
日系アメリカ人で、当時亜細亜大学の客員教授でいらっしゃった。

ヒラオカ教授から、喜んで!とご快諾いただいた。そして、
“Which university are you interested in?” という問いに
“Please don’t laugh, O.K? but I want to go… Oxford…”
無理ですよね?といった表情で答えると、
次の言葉が返ってきた。

“KNOCK THE DOOR, Koji”

どうして自分からあきらめるんだい?
合否を決めるのは、君ではなく大学だろ?
ちゃんとドアを叩いて、入れてもらえるかどうかを真正面から尋ねるんだ。
ドアを叩かなければ、尋ねることさえもできないだろう。

目から鱗だった。

判断を下すのは自分ではない。相手なのだ。
それなのに、なぜその前に自分で判断を下すのか。
己の愚かさを知った。

それ以来、私はそうしたいと思ったことは、常にドアを叩いている。
ドアを叩いて断られることもある。返事がないこともある。
しかし、叩いたことによって人生を大きく豊かにしてくれたことも多々ある。

私はこれからもドアを叩き続ける。

KNOCK THE DOOR !
この言葉を、今何かをあきらめようとしているすべての人に伝えたい。

2009年10月
#120 Knock the door !
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