No.118 「認めるとは見止めること」

妻が育児休業を終え、職場に復帰した。
よって1日の大半を子育てに専念する日々を過ごしている。
おしめ替えも授乳もお風呂入れも、随分と板についてきた。
最近では、泣き方で何を求めているのかが分かるようになった。

この小さな「学び子」との生活は、私が教員時代に感じていたある大切なことを
あらためて気付かせてくれている。

「人は誰かに見られることによって、より能力を発揮する」
これは、心理学の実験でも明らかにされていることだ。
人の目が良い刺激材料となって、奮起させる効果がある。
職場や学校において、一般的に上司や先生が部下や生徒たちを見渡せる位置に座るのは、
この効果を期待してであろう。
実際、上司や先生が在席する時としないときの職場や教室の雰囲気は明らかに違ってくる。

「期待や褒める言葉が人間のやる気を引き起こす」
これも心理学でよく出てくる定義で、ピグマリオン効果と呼ばれる。(語源はギリシャ神話)
「期待しているよ。すごく頑張ってる」と暖かい励ましを受けた生徒の方が、
「やっても無駄。頭が悪いな」と言われていた生徒よりも優秀な成績を修めるというわけだ。

さて、驚くことに1歳にも満たない赤子の娘にもこの2つが当てはまるのだ。
私が見ているときと見ていないときの一人遊びの活発度は歴然としているし、
時折私の顔を見て、自分が見られているかを確認している。
また、褒めながら遊んであげるときと、黙ったまま遊んであげるときも、
顔の表情が明らかに違う。
前者には更にできるようになりたいという意欲が感じられるが、
後者の場合は、ただ単に遊びを楽しんでいるといった感じである。

「認めるとは、見、止める、こと」
コーチングの世界でよく使われる言葉だ。
やはり、人は誰かにしっかりと見てもらい、期待され、励ましの言葉をかけられることによって
更なる能力を発揮するようになるのではないか。

しばらくは、しっかりと「親ばか」ぶりを発揮したい。

2009年8月
#118 認めるとは見止めること
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